# アカウントの削除 アカウントの所有者は[AccountDeleteトランザクション](/ja/docs/references/protocol/transactions/types/accountdelete)を送信することで、レジャーからアカウントと関連するエントリを削除し、アカウントの残りのXRP残高のほとんどを別のアカウントに送ることができます。アカウントの無駄な作成と削除を抑止するため、アカウントの削除には[トランザクションコスト](/ja/docs/concepts/transactions/transaction-cost)として通常よりも多くのXRPをバーンする必要があります。 いくつかの種類のレジャーエントリを保有している場合、アカウントの削除がブロックされます。たとえば、(代替可能)トークンの発行者は、そのトークンの発行残高がゼロでなければ、削除することはできません。 アカウントは削除した後、通常の[アカウントの作成方法](/ja/docs/concepts/accounts#creating-accounts)によって再作成できます。削除後に再作成されたアカウントと、初めて作成されたアカウントに違いはありません。 ## 要件 アカウントを削除するには、次の条件を満たす必要があります。 - アカウントの`Sequence`番号に256を加えた値が、現在の[レジャーインデックス](/ja/docs/references/protocol/data-types/basic-data-types#%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9)未満であること。 - アカウントが次の[レジャーエントリ](/ja/docs/references/protocol/ledger-data/ledger-entry-types)のいずれも(送金元または受取人として)保有していないこと。 - `Escrow` - `PayChannel` - `RippleState` - `Check` - アカウントがレジャー内に所有するオブジェクトが1000個未満であること。 - トランザクションの送信時、少なくとも1つ分の[所有者準備金](/ja/docs/concepts/accounts/reserves)(現在2XRP)に相当する特別な[トランザクションコスト](/ja/docs/concepts/transactions/transaction-cost)を支払う必要があります。 ## 削除コスト アカウントの削除要件を満たしていないためにトランザクションが失敗した場合でも、[AccountDeleteトランザクション](/ja/docs/references/protocol/transactions/types/accountdelete)のトランザクションコストは、トランザクションが検証済みレジャーに含まれる場合常に発生します。アカウントを削除できなかった場合に高いトランザクションコストを支払う可能性を減らすには、AccountDeleteトランザクションを送信するときに`fail_hard`オプションを使用してください。 ビットコインや他の多くの暗号通貨とは異なり、XRP Ledgerの公開レジャーチェーンのそれぞれの新しいレジャーバージョンは、レジャーの完全な状態を含んでおり、新しいアカウントが増えるごとにサイズが増加します。そのため、必要な場合を除き、新しいXRP Ledgerアカウントを作成すべきではありません。アカウントを削除することで、アカウントの10XRPの[準備金](/ja/docs/concepts/accounts/reserves)の一部を回復することができますが、そのためには少なくとも2XRPを破棄する必要があります。 取引所など、多くのユーザのために価値の送受信を行う組織は、[**送信元タグ**と**宛先タグ**](/ja/docs/concepts/transactions/source-and-destination-tags)を使用することで、XRP Ledgerのアカウントを1つだけ(または少数)使用するだけで、ユーザの支払いを区別することができます。