ティックサイズ
(TickSize Amendmentにより追加されました。)
オファーがオーダーブックに対して発行されると、そのオファーに関係する通貨の発行者によって設定されたTickSize
の値に基づいて、為替レートが切り捨てられます。トレーダーがXRPとトークンを交換するオファーを出した場合は、そのトークンの発行者からのTickSize
が適用されます。トレーダーが2種類のトークンを交換するオファーを出した場合は、小さい方のTickSize
の値(有効数字の桁数が少ない値)がこのオファーに適用されます。いずれの通貨にもTickSize
が設定されていない場合、デフォルトが適用されます。
オーダーブックにオファーが発行されると、TickSize
によりオファーの為替レートの 有効数字 の桁数が切り捨てられます。発行者はAccountSetトランザクションを使用してTickSize
を3
~15
の整数に設定できます。為替レートは有効数字と指数で表されますが、TickSize
は指数には影響しません。これにより、XRP Ledgerでは価値が大きく異なる資産(ハイパーインフレ通貨と希少通貨など)間の為替レートを表せます。発行者が設定するTickSize
が小さいほど、トレーダーはより多くの増分をオファーして、既存のオファーよりも高い為替レートと見えるようにする必要があります。
TickSize
は、オファーの即時に実行可能な部分には影響しません。(この理由から、tfImmediateOrCancel
が指定されたOfferCreateトランザクションはTickSize
の値の影響を受けません。)オファーを完全に実行できない場合、トランザクション処理エンジンはTickSize
に基づいて為替レートを計算して切り捨てを行います。次にエンジンは、切り捨てた後の為替レートに一致するように、「重要性が低い」側からのオファーの残額を丸めます。デフォルトのOfferCreateトランザクション(「買い」オファー)の場合、TakerPays
の額(購入額)が丸められます。tfSell
フラグが有効な場合(「売り」オファー)TakerGets
の額(売却額)が丸められます。
発行者がTickSize
を有効化、無効化、または変更する場合、以前の設定で発行されたオファーはその影響を受けません。