# オンライン削除の設定 `rippled`サーバのデフォルトの構成では、最新2000個のレジャーバージョンよりも古い[履歴が削除され](/ja/docs/infrastructure/configuration/data-retention/online-deletion)、レジャー履歴は約15分間維持されます(現行のレジャー毎の間隔に基づく)。このページでは、削除までに`rippled`サーバに保管される履歴の量を設定する方法を説明します。 ## 前提条件 このチュートリアルでは、ご使用のサーバが以下の条件を満たしていることを前提としています。 - サポートされているオペレーティングシステムを使用している。Ubuntu Linux、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)、CentOS - `rippled`サーバがすでに[インストール](/ja/docs/infrastructure/installation)されており、[オンライン削除](/ja/docs/infrastructure/configuration/data-retention/online-deletion)が有効になっている。 推奨されるプラットフォームのインストール手順に従えば、オンライン削除はデフォルトで有効となります。 - 選択した量の履歴をレジャーストアーに保管するのに[十分なディスク容量](/ja/docs/infrastructure/installation/capacity-planning)がサーバにある。 ## 構成手順 サーバに保管する履歴の量を変更するには、以下の手順を実行します。 1. 保管する履歴に相当するレジャーバージョンの数を決定します。 新しいレジャーバージョンは通常3~4秒間隔で検証されます。このため、レジャーバージョンの数は、保管する期間におおむね対応しています。各種構成で必要なストレージの容量についての詳細は、[容量計画](/ja/docs/infrastructure/installation/capacity-planning)をご覧ください。 オンライン削除は、履歴の削除 *後* に維持するレジャーバージョンの数に基づいておこなわれるので、設定した維持するレジャー数の2倍を保管するのに十分なディスク容量が必要です。 2. `rippled`の構成ファイルで`[node_db]` スタンザの`online_delete`フィールドを編集します。 ``` [node_db] # Other settings unchanged ... online_delete=300000 advisory_delete=0 ``` `online_delete`を、オンライン削除の実行後に維持するレジャーバージョンの最小数に設定します。自動削除が設定されている場合(デフォルト)、サーバは通常、この数の約2倍のレジャーバージョンが蓄積されると削除を実行します。 3. `rippled`サービスを起動(または再起動)します。 ``` $ sudo systemctl restart rippled ``` 4. サーバがネットワークと同期するまで待ちます。 ネットワークとシステムの能力と、サーバがオフラインになっていた期間に応じて、完全な同期が完了するまでには5~15分かかります。 サーバとネットワークの同期が完了すると、[server_infoメソッド](/ja/docs/references/http-websocket-apis/public-api-methods/server-info-methods/server_info)が再び開き、`server_state`の値として`"full"`、`"proposing"`、`"validating"`のいずれかが報告されます。 5. [server_infoメソッド](/ja/docs/references/http-websocket-apis/public-api-methods/server-info-methods/server_info)を使用してサーバの`complete_ledgers`範囲を定期的に調べ、レジャーが削除されていることを確認します。 オンライン削除実行後の`complete_ledgers`範囲には、古いレジャーが使用できなくなったことが反映されます。サーバに履歴が蓄積されるにつれ、使用可能なレジャーの総数が徐々に増加します。この数が設定した`online_delete`値の2倍に達し、オンライン削除が実行されるとレジャーの総数は減少します。 6. `rippled`ログで、`SHAMapStore::WRN`で始まるメッセージを確認します。このメッセージが出力されている場合、サーバがネットワークと同期していない状態になったために[オンライン削除が中断されている](/ja/docs/infrastructure/configuration/data-retention/online-deletion#%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%89%8A%E9%99%A4%E3%81%AE%E4%B8%AD%E6%96%AD)可能性があります。 この状況が定期的に発生する場合は、サーバのスペックが不十分で、オンライン削除の実行中にレジャーを最新状態に維持できていない可能性があります。同じハードウェア上の他のサービス(スケジュール済みバックアップやセキュリティスキャンなど)と`rippled`サーバがリソースをめぐって競合していないことを確認してください。以下のいずれかの操作を実行できます。 - システムスペックを強化する。推奨事項については、[システム要件](/ja/docs/infrastructure/installation/system-requirements)をご覧ください。 - 設定を変更し、保管する履歴の量を減らす。(このチュートリアルのステップ2) - サーバの[`node_size`パラメーター](/ja/docs/infrastructure/installation/capacity-planning)を変更する。 - レジャーストアーに[RocksDBの代わりにNuDB](/ja/docs/infrastructure/installation/capacity-planning)を使用する。 - [指示による削除を使用してオンライン削除をスケジュールする](/ja/docs/infrastructure/configuration/data-retention/configure-advisory-deletion)。 ## 関連項目 - [オンライン削除](/ja/docs/infrastructure/configuration/data-retention/online-deletion) - [指示による削除の設定](/ja/docs/infrastructure/configuration/data-retention/configure-advisory-deletion) - [完全な履歴の設定](/ja/docs/infrastructure/configuration/data-retention/configure-full-history)